135回目のゴッホの命日に
7枚残っているとされるゴッホの「ひまわり」の1枚が、米国・フィラデルフィア美術館を離れ、2024年9月14日から2025年1月19日まで、ロンドンのナショナル・ギャラリーに貸し出された。この「ひまわり」が、アメリカ国外に出たのは、1935年の保有以来、初めてのことだ。ナショナル・ギャラリーも別の「ひまわり」保持しており、並んで展示されたそうだ。ゴッホの作品2点が同じ空間に飾られるのは、彼のアトリエにあった1889年頭以来である。
フィラデルフィアの一枚が制作されたのは1889年1月。1935年にアメリカのコレクターによって購入された後、美術館に収蔵された。一方、ナショナル・ギャラリーの絵画は1888年に描かれている。ゴッホは1889年に同作品を弟に贈り、1924年にナショナル・ギャラリーが遺族から購入した。
1890年に37歳という若さで自死したこのオランダ人画家は、何を思いながら7枚ものひまわりを描いたのか。
ゴッホは当時活躍していた他の画家たちと同じように、花の静物画を記した。様々な植物で腕を磨いた後、ひまわりを選択する。同業者たちは、黄色いブロッサムに対して粗野で洗練されていないという印象を持っていたという。が、ゴッホはひまわりを好み、種をつけた姿も楽しんで筆を走らせた。
彼にとって、ひまわりは特別だったのだ。それを理解した友人たちはゴッホの死後、思い思いにひまわりを棺に入れた。
フィラデルフィアに無事に戻ってきた「ひまわり」は、やはり訪れた人々の足を止めていた。
周囲の声や視線に惑わされず、己を貫くーーー。生前、ほとんど評価されず、食うや食わずでキャンバスに向かったゴッホの魂は、今尚、人類に受け入れられている。間も無く、フィンセント・ファン・ゴッホ135回目の命日がやってくる。私の手元にある「ひまわり」は、フィラデルフィア美術館内でスマホのシャッターを押したものだが、改めて彼の渾身の筆を感じたい。
拘りや信念を曲げない。JBCもそんな精神で前進したい。
